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意味のない検査を受けるのはやめよう。

こんにちは、Wellnessドクターチームです。

今朝Twitterを見ていると、私たちも非常に尊敬しているスタンフォード大学睡眠医学部門の睡眠専門医で数多くの書籍を執筆されている河合真先生が、非常に格言的なツイートをされていました。

「検査なんて、沢山受ければ受けるほどいいよね」

「オプションで無料だから、この検査も追加しとこ!」

「みんなが受けていて気になるから、俺もあの検査受けてみようかな」

「もし陽性だったら怖いから、安心のために受けておきたい」

そんな風に考えたことはありませんか?一つでも当てはまるのであれば、あなたは「検査」の意味について理解しきれていない可能性が高いです。

河合先生の発言は一見過激にもみえますが、非常に的を得ています。それだけ、検査というのは難しいのです。

今回は新型コロナウイルス(COVID19)の検査を簡単に誰もが受けられるようにすべきだという世論に対して多くの医師が警報を鳴らす流れの中での発言ですが、『ユーザー(患者・患者予備軍)側が主体的に検査を安易に受けようとすることが危険』という話は多くの文脈で繰り返されています。

Wellnessでも過去に「リキッドバイオプシー検査」が話題になった際に、安易に簡易検査を受けることのリスクについて解説しています。詳しくは過去の記事、『「尿や血液一滴で癌が分かる検査」を闇雲に受けない方がいい理由』をご参照ください。

今回も簡単に要点を説明します。まず検査には感度(病気がある人をちゃんと陽性と検出する確率)と特異度(病気がない人をちゃんと陰性と検出する確率)があります。これらの値が高いほどいい検査と言えます。ここまで理解することが検査の理解の第一段階です。

しかし、感度と特異度だけではその検査を受ける価値があるかどうかは決まりません。もう一つ非常に重要な要素があります。それが、「検査前確率(有病率)」です。詳しくは上記の過去記事を見ていただければと思いますが、病気を持っている確率が少ない大量の人たちに検査を受けさせることはむしろ害になるのです。

この検査前確率を決める作業は今まで病院で、医師が行ってきました。年齢や性別と論文に基づく疫学知識を照らし合わせたり、診察で得た問診情報や症状を総合的に判断したりして、病気を持っている確率が高いと判断した場合に検査を実施するわけです。

しかし、近年のヘルスケア市場成長の流れの中で、一般ユーザーに対して様々な検査を販売する業者が増えるようになりました。リキッドバイオプシー検査やスマート脳ドックが典型的な一例です。結果、どうなったでしょう?

多くの人が自分で検査を受けるべきか判断する必要性が出てきてしまったのです。これはほとんどの人がまだ気づいていない、近年の大きな課題だと思います。勿論、検査の背景にある学問・統計学などを全ての人が勉強するなら必ずしも間違った方向ではありませんが、SNS上の議論などを見ていると、検査の意味を十分に理解せずに「とりあえず受けた方がいい」という論調が多いように思います。このままでは、

検査前確率が非常に低いにも関わらず放射線検査を受けて無駄な被ばくをする人

検査前確率が非常に低いにも関わらず特異度の低いリキッドバイオプシー検査を受けて癌疑い(偽陽性)とされ、大きな不安を抱えながら多額のお金をかけて癌を(ないにも関わらず)探す検査を沢山受ける事になる人

そんな不幸な人が増えていってしまうと推測されます。

今回の新型コロナウイルス(COVID19)の一件については一時的な議論かもしれませんが、検査ビジネスが乱立していく現代において、正しい知識を身につける、あるいは、検査の必要性について相談できる医師を持つことは非常に重要です。ますますパーソナルドクターの重要性が増していくと確信しています。

Wellnessドクターチームは、検査に関わる無知が原因で無駄な検査にお金を費やしたり、無駄に不安を抱えたり、無駄に安心したりすることがないよう、これからも全力で皆さんをサポートしていきたいと思います。

感染症や検査について正しい知識を得ることに興味がある方は、是非Wellness Coaching活用ください。医師がマンツーマンで徹底解説します。


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